サトウ眼科クリニック

カリパー付き強膜圧迫子の開発

 18ゲージ(径 ㎜)硝子体手術から 、23,25ゲージと小切開硝子体手術へと移行しつつある現在でも、依然として周辺部硝子体切除、周辺部網膜の観察は重要です。

 これまでに様々な強膜圧迫子が考案されていますが、圧迫子の先端部の長さが短かったり、圧迫方向と実際の圧迫部位が一致せず操作が難しいと感じていました。そこで、より 確実な周辺部操作を目指して新しい強膜圧迫子(以下カリパー付き強膜圧迫子)を開発しました。

 カリパー付き強膜圧迫子は、先端部の長さを10㎜とし、十分な広さで強膜を圧迫できるようにし、圧迫子の柄の延長部が、その先端部の中央にくるようにしました。また、圧迫 子の柄の延長線が先端部の中央を通り、柄と先端部が垂直となるように作製しました。また、カリパーを反対側に付属させました。

 このカリパー付き強膜圧迫子によって広範囲に強膜の圧迫が可能になり、硝子体切除、 網膜光凝固が容易になりました。圧迫子の柄を押した場合、圧迫部位にずれがなく、安全に硝子体切除、網膜光凝固を連続して行うことも可能です。さらにカリパーが付属しているため、強膜創を簡単に作成できます。

写真5. カリパー付き強膜圧迫子

 

写真6.  強膜圧迫子先端

 

写真7. 3mmカリパー