2024年4月5日から8日まで開催された、アメリカ白内障屈折矯正手術学会に出席し、”Effects of phacoemulsification using the eight-chop technique on intraocular pressure in patients with diabetes and controls”という研究を発表してきました。現在、私の開発したEight-chop法は、私以外の眼科医には不可能な状況ですので、手術成績が優れていても、なかなか世界の眼科医に私の研究報告を理解してもらうのは難しいというのが正直な感想です。しかし、いずれEight-chop法を導入する意欲、才能のある若手の眼科医が育てば、必ず私の手術成績の優秀さ、正確さが認められる日が来ると信じています。

学会場では、海外の研究者と意見交換を行い、私のEight-chop法の手術成績と他の術式の手術成績を統計学的に分析する共同研究を行う内容で合意して来ました。今後の海外の研究者との共同研究にも期待が持てそうです。

白内障手術に関して、海外の専門家の手術も発表されて手術映像を見ましたが、手術術式に関して言えば、30年前の術式を用いる専門家が多く、Eight-chop法の一世代前のPrechop法でさえも行う専門家が存在せず、非常に遅れているとの印象を受けました。従て、現在でも世界的に白内障の合併症は多発し、その合併症後の手術治療に関心が移っているのが現状です。なんとかEight-chop法を世界的にも普及させ、白内障手術の合併症を減少させることに貢献したいと思いました。


24年ぶりに再会した恩師、ボストン大学医学部教授のSayon Roy博士のご自宅にて