「最近、黒目のまわりが白くなってきた」
「目が白くなってきたけれど、白内障ではないですか?」
このように心配して眼科を受診される方がいらっしゃいます。実際に診察すると、黒目の中心ではなく、黒目のふちに白っぽい輪ができていることがあります。このような変化は、加齢に伴ってみられることが多く、『老人環(ろうじんかん)』と呼ばれています。
老人環
老人環は、黒目にあたる角膜の周辺部に、白色~黄白色の輪のような濁りができる状態です。
年齢とともに角膜の周辺部に脂質などが沈着することで生じると考えられています。特に高齢になると珍しいものではなく、加齢による目の変化の一つです。多くの場合、老人環そのものによって視力が低下したり、目が見えにくくなったりすることはありません。
実際の老人環の症例


写真のように、黒目の中心ではなく、黒目のふちに沿って白っぽい輪が見えるのが老人環の特徴です。「目が白くなった」と感じても、白くなっている場所を確認することが大切です。
老人環と白内障はどう違う?
老人環と白内障は、白く見える場所が違います。
老人環は、黒目(角膜)の周辺部に白い輪ができます。一方、白内障は、目の中にある水晶体というレンズが濁る病気です。そのため、鏡で見たときに「黒目のふちが白くなっている」という場合、それだけで白内障というわけではありません。
白内障では、
・かすんで見える
・以前より見えにくくなった
・光がまぶしく感じる
・眼鏡を作り直しても見えにくい
など、見え方の変化が出てくることがあります。
白内障は加齢とともに増える病気なので、60歳以上の方では老人環とは別に、白内障がないかどうかを確認することも大切です。
老人環は治療が必要?
年齢による一般的な老人環で、視力に影響がない場合は、通常、老人環そのものを治療する必要はありません。
ただし、「黒目の周りが白くなった」という変化だけで、自己判断で老人環と決めつけることはおすすめできません。
角膜には老人環以外にも、さまざまな原因で白く濁ることがあります。
特に、
・急に白くなった
・目が赤い
・目が痛い
・視力が低下した
・黒目の中心まで白く見える
といった症状がある場合は、老人環とは別の病気の可能性もありますので、眼科を受診してください。
「白内障かな?」と思ったら
60歳を過ぎると、老人環のような加齢による変化も増えてきます。一方で、白内障や緑内障など、年齢とともに増える目の病気もあります。
「黒目の周りが白くなったけれど大丈夫かな?」
「最近、少し見えにくくなった気がする」
そんなときは、老人環かどうかだけでなく、白内障など他の目の病気がないかも含めて眼科で確認すると安心です。老人環そのものは心配のないことが多い変化ですが、目の見え方に変化がある場合は、一度眼科で目の状態を確認しておきましょう。
白内障・網膜疾患・緑内障の治療について詳しく説明しています。


