白内障手術は、現在もっとも安全性の高い手術のひとつです。しかし、どんなに丁寧な手術であっても、目の中ではわずかな炎症が起こります。

多くの場合、この炎症は自然におさまり、視力も順調に回復します。ただし、炎症が強く・長く続いた場合には、
・視界がすっきりしない
・回復に時間がかかる
・角膜(黒目)の細胞に負担がかかる
といった影響が出ることがあります。

当院では、こうした「術後の目の状態」を感覚や経験だけに頼らず、客観的な数値で確認するためにフレアメーター(レーザーフレア光度計)を導入しています。

フレアメーターとは何を測る検査?

フレアメーターは、目の中の炎症の程度を数値で測定する検査です。
白内障手術後、目の中では炎症により微量のたんぱく成分が増えます。フレアメーターは、これをレーザー光で非接触・短時間に測定します。
・痛みなし
・目に触れない
・数秒で終了
患者さんの負担はほとんどありません。

なぜ「炎症を数値で見る」ことが大切なのか

従来、術後の炎症は充血の程度、自覚症状、医師の診察所見などで評価されてきました。しかし炎症は見た目だけでは分からないことも多いのが実際です。
フレアメーターを使うことで、手術がどれだけ目に優しかったか、回復が順調か、薬の量や期間が適切かを数値で確認できます。
これは、
「問題が起きてから対応する」医療ではなく⇒「問題が起きにくい状態を維持する」医療
への一歩です。

当院の白内障手術が「炎症を抑えられる」理由

当院では、Eight-chop(エイトチョップ)法という手術手技を採用しています。これは水晶体の濁り(核)を8つに分割してから取り除く方法です。
この方法の特長は、
・超音波エネルギーを最小限にできる
・目の中での操作が少ない
・手術時間が安定して短い
という点にあります。

実際に当院で行った研究では、
・術後の炎症は全体として非常に軽度
・角膜の大切な細胞(内皮細胞)の減少はごくわずか、
・手術翌日の炎症の強さが、将来的な角膜障害につながることはなかった

という結果が得られています。
つまり、「炎症が少なく、目に優しい環境で手術が行われている」ことが、データで確認されています。

角膜の細胞は「再生しない」からこそ

角膜の内皮細胞は、一度減ると元に戻りません。この細胞が大きく減ると、角膜が濁り、視力が回復しにくくなります。
当院では手術方法の工夫、炎症の客観的評価(フレアメーター)、必要に応じた治療調整を組み合わせることで将来を見据えた「目にやさしい白内障手術」を目指しています。

数字で確認できる安心を、患者さんへ

白内障手術は「見えるようになる」ことがゴールではありません。その視力をできるだけ長く、安定して保つことが本当の目的です。
フレアメーターは、そのための小さくても大きな安心材料だと考えています。
これからも当院は、経験 × 技術 × 客観的データを大切にした白内障治療を続けていきます。

白内障・網膜疾患・緑内障の治療について詳しく説明しています。