医学的に視力は、『裸眼視力』と眼鏡などをかけて見る『矯正視力』に区別されます。
裸眼視力を気にされる方が多いのですが、医学的に重要な意味を持つ視力は矯正視力です。

眼は焦点の違いにより、正視、近視、遠視、乱視があります。

正視:遠く(視力検査では5m先)を見た時に、はっきり見えます。

近視:焦点(はっきり見える場所)が近くにあり、遠くは見えませんが近くは見えます。近視が強ければ強いほどはっきり見える場所、つまり焦点は近くにあります。

遠視:遠く(視力検査では5m先)を見た時でも、近くを見た時でも焦点が合わず、眼鏡をかけないと近くも遠くも見えにくくなります。

乱視:眼球が正確な球体ではないので、縦方向と横方向の焦点にずれが生じて起こります。縦方向の眼球のカーブが小さいと、縦方向の焦点が近くになり、横方向の焦点が遠くになり焦点の位置がずれます。眼球の前後方向の大きさ、眼球の歪み具合により焦点の位置のズレは様々で、色々な乱視があります。

近視・遠視・乱視は目の病気と考える方もいますが、治療を要する病気ではありません。視力に限って言えば、裸眼視力が0.01であっても矯正視力が1.0以上であれば良く、逆に眼鏡をかけても視力が悪い場合は、何かしらの病気(白内障・網膜疾患など)を疑います。

ですので近視などの影響を受ける裸眼視力ではなく、眼鏡により矯正して目の屈折を正視にした矯正視力を検査の指標としています。
当院では患者様に視力検査の結果をお知らせする際は、矯正視力をお伝えしておりますのでご理解ください。

白内障・網膜疾患・緑内障の治療について詳しく説明しています。